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CD スパニッシュ・プログレッシヴ・バロック 

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矢澤孝樹 氏   CDジャーナル(2017年3月号)
 驚くべきディスクの登場だ。はたして当盤を説明なしでかけたら、どの時代のどのような音楽という印象をもたらすだろう。プログレやカンタベリー・ロックのアコースティック新解釈?という答えもありそうだ。しかしこれは16~17世紀スペインの、カベソン、コレア・デ・アラウホ、カバニーリェスらのオルガン曲を、リコーダー、弦、オルガン、打楽器のアンサンブルのために編曲したもの。以前から私はこの時代のスペインのオルガン音楽が持つ、ルネサンス的技法をはみ出す恍惚とした陶酔感と神秘性に強く惹かれていたが、こうした解釈があり得るとは。異なる楽器たちのカラフルな音色の絡みあいを縒り合わせ、曲に内在する前衛性を引き出した、編曲の古橋潤一に脱帽だ。演奏も速いパッセージを奔放に吹きまくるリコーダーの古橋を中心に躍動感にあふれ、鮮やかに合唱曲に変貌させている。冒頭のカバニーリェスの11分におよぶティエントで、まず “持っていかれる” こと間違いなし!

寺西馨 氏   ぶらあぼ(2017年3月号)
 どうしてこうも、我々の感性へダイレクトかつ斬新に訴えかけるのか。17世紀に栄華を極めたイベリア半島のオルガン作品を、器楽作品へと翻案。元々が多彩な音色を持つオルガンを想定して書かれただけに、複数の奏者のアイディアと自発性により、より豊かな想像力の翼を得る。リコーダーの古橋潤一やヴァイオリンの川久保洋子ら古楽界の手練たちの絶妙のアンサンブルが、ガムランも能くする濱元智行らのプレイとも”化学反応”し、フラメンコどころか、ロックをも彷彿させる、個性的な響きの世界を創出。その魅力の前には、もはや作品の出自など、どうでも良いことに思えてくる。
 
美山良夫 氏   レコード芸術(2017年4月号)
 プログレッシヴ、あるいはプログレといえばロックのことかと思っていたらバロック!ひとつの鍵盤の低音部と高音部を別のパイプ列につなぎ低声部と高声部を異なる音色で演奏出来るようにしたメディオ・レジストロ(分割ストップと訳すが解りにくいだろう)からとったバンド名、カバニーリェス、コレア・デ・アラウホらの作品からなるプログラム、ティエントなどの曲種など、どれもが黄金世紀スペインのオルガン音楽、その魅力の中核につながっている。
ただしここでの演奏は、オルガン独奏の1曲をのぞき、すべて主宰する古橋潤一(リコーダー)の編曲。曲の部分やパートを、オルガンのみならずリコーダー、弦楽器そしてパーカッションに割り振りながら再構成し、オルガンによる持続的な低音や打楽器が刻むリズムのうえで、つぎつぎにソロ楽器がノリノリの演奏を展開するが、次の瞬間には厳格対位法が顔をのぞかせる。楽々と越境してゆく自由さ、その開放性とともに正統を意識し維持する精神が演奏者たちに強く共通する。鳴り響く音は宗教的荘厳と祝祭的熱狂との間を往復し、聴く者も浮遊するかのような感覚にとらわれる。荘厳と熱狂という二面性は、トレド大聖堂の「皇帝のオルガン」を引き合いに出すまでもなくスペインのオルガンがもち本質であり、この意味でメディオ・レジストロの面々による録音は、スペイン・オルガン芸術の根源から展開された鮮烈なスーパー・ショットである。

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